製品パンフレット―さまざまな可能性が広がる制作パターン

製品を紹介する販促物の場合、カテゴリーやタイプを網羅する数百ページに及ぶような総合カタログから、俗に“ペラ”と呼ばれるA4表裏で表現されたツールまで幅広く存在します。ここでは、最も汎用性の高いA4・2ツ折4ページの製品パンフレットを例に説明していきます。

デザイン・コピーの融合が必要な表紙デザイン

製品を4ページで紹介する場合、表紙では製品写真か製品メリットが醸し出す世界観をビジュアルで示すことになります。あるいは、期待感や(新製品の場合)登場感を抱かせるために、ノンビジュアルや、製品と直接結び付かない抽象的なデザインを選ぶ場合もあります。イメージキャラクターを起用されている場合、これをレイアウトするケースも期待感や登場感の演出につながります。
どの方向性を選ぶかは、最初に行うフランクなトークのなかでいただく情報から判断して数案ご提案、意見交換しながら決定していきます。
表紙キャッチフレーズにもいくつかの方向性が考えられます。製品側の特長をストレートに訴求する切り口から、単刀直入にターゲットの悩みに訴えかける表現、あるいは、具体的な内容に踏み込まずその製品が実現する世界をシンボリックに表現するケースもあります。デザインの方向性同様、期待感や登場感を醸し出すコピーが適する場合もあります。デザイン・コピー(キャッチフレーズ)を同じ方向に的確に絞り込んでいくために製品の特性とポジションをよく吟味することが必要です。

中面における一般的なフレームワーク

表紙を開いた中面2ページで製品の特長を説明することになりますが、左右ページをどう展開するかで最初の選択を行います。
左ページを具体的な説明に使わず、メインビジュアルとキャッチフレーズで言わば広告的に扱う方向と、見開き全体を使って製品特長を説明する方向に大きく分けられます。前者は、製品情報は絞られますが、ターゲットに与えるインパクトは大きくなります。グラフや図案も含め、右ページでカタログとしての情報が十分と判断できれば、こうした展開も可能です。広告目的と合致すれば見開き全体を一つの広告のように扱うケースも考えられますが、製品情報はエッセンスのみになります。
見開き全体を使って製品特長をアピールするのが最もオーソドックスですが、盛り込む内容は製品特性によりますので「これが必須」という素材はありません。ここでは、参考にしていただくために製品を紹介する際のいくつかのフレームワークについてご説明します。

(1)課題解決型

お客さまが抱えられている課題をピックアップし、製品がその課題をどのようなレベルで解決できるかを、製品メリットと絡めて説明します。主要課題が明確な場合に、ターゲットの注目度の高まりが期待できます

(2)メリット訴求型

ターゲットの業務におけるさまざまな課題に対応できる製品であることを、製品のメリット毎にアピールします。(1)の課題解決型を製品側からアピールするアプローチになりますが、機能面の優位性が明らかな場合、こちらの方が訴求力を高めることができます。

(3)見開きビジュアル型

例えば街のさまざまな場所に設置される機器を想定した場合、見開きを左右いっぱいに使って街のビジュアルをレイアウトし、具体的な場所毎にメリットを説明する手法が可能です。このように使われるエリアが広範囲で、そのエリア内のポイント毎に機能説明が求められる製品にふさわしく、スケールメリットを伝えながら印象強くアピールできます。工場全体、あるいはビル全体で使われる製品などにも適したフレームワークです。

(4)ラインアップ型

核となるセリングポイントが共通していて、複数のタイプによってターゲットや活用範囲が分かれるような製品の場合、メインとなる機能をアピールしたうえで、タイプ毎に「どんな場面で、どんな条件で、どんな範囲で」そのタイプが効果を発揮するかを整理し、ラインアップしながらアピールします。

(5)エビデンス訴求型

基本的なメリットが数値やグラフなどでアピールできる製品の場合、それらを意図的に目立たせることで訴求力が高まります。例えば優位性のある数値を大きく見せることでターゲットへの説得効果が高まるばかりか、視線を引き付けるキービジュアルとしての役割も期待できます。グラフで優位性がアピールできる場合、優位なポイントを目立たせることで、同様の効果が狙えます。

(6)キャラクター展開案

製品のイメージキャラクターが設けられている場合、キャラクターを通して製品特長を説明していくアプローチも可能です。メインの語り手となったり、あるいは製品の重要ポイントの説明役となることで、お客さまの視線を引き付ける効果を発揮します。
どのフレームワークを使うか、あるいはこの6タイプ以外のアプローチを検討するかは、当然ながら製品メリットや市場におけるポジションで決まります。そのためには、やはりお客さまとフランクに話し合える場を設け、情報共有することがスタートになります。
表4(裏表紙)は、製造元の住所が入るのが一般的ですが、仕様一覧や副次的ニュースの掲載に使う場合もあります。その都度、ご相談しながら進行いたします。

最初の印象を決定付ける

4ページ程度の紙媒体の製品パンフレットは、製品・サービスを認知する最初の印象を形成する可能性が高いと考えられます。パンフレットを見ながらさらに口頭で製品を説明したり、WEBサイトに誘導してさらに詳しい情報を伝えるためのファーストコンタクトの役割も担います。また、社内稟議の資料として求められることも多いようです。
そうした位置付けを考えると、記憶に残るインパクトの重視と、数値など客観的な判断材料の提示をパンフレットの目的や使い方にそったバランスで盛り込む必要があります。
当社は比較的デザインを重視したスタンスが多い傾向にありますが、お客さまの製品・サービスの内容に応じて柔軟に対応できる経験を積んでいます。